診療案内

小児泌尿器科の病気について

それぞれの病名の説明をします。項目の中からお選び下さい。

  • 夜尿症

    夜尿症とは5歳以降に少なくとも月に1回以上のおねしょがあるものをいいます。
    夜尿は5歳児で20-25%、10歳児で5%、15歳児で1%程度にみられます。
    この数字を見ても分かるように夜尿症は年齢とともに治ってきます。
    受診の目安として小学生になって、週に数日夜尿が続いている場合は受診をおすすめします。
    またお子さまの夜尿症が心配でストレスになるような場合には、年齢や夜尿日数に関係なく受診していただいたらいいかと思います。
    治療は、検尿、オシッコの回数、残尿の有無、最大がまん尿量、夜間尿量、尿の浸透圧、比重などを検査して、お子さんにあった生活指導、投薬をいたします。治療の3原則は「あせらない」・「怒らない」・「起こさない」です。

    「あせらない」: 15歳頃までには、自然に治癒することがほとんどです。おおらかな気持ちで治るのを待ちましょう。 あせったからといって、早くなおるものではありません。
    「怒らない」:本人が気にしていることを叱っても劣等感を助長させるだけです。逆上がりができない、逆立ちができないからといって子供をしかりませんよね。それと同じで叱っても意味がないばかりでなく、叱るのは逆効果です。優しい気持ちで接してあげて下さい。
    「起こさない」: 夜中に起こしてトイレに行かせることは、睡眠リズムを狂わせてしまう可能性があり避けるべきです。

    夜尿症は治療を行うことで自然経過と比べて治癒率を2倍~3倍に高めることができる

    グラフのごとく、夜尿症は治療を行うことで治癒率が高まります。
    当院では積極的に夜尿症の治療に取り組んでおりますので、お悩みの方は、気兼ねなく、受診してください。

  • 包茎

    基本的にお子さんは包茎で「むこうとしてむける(仮性包茎)」と「むこうとしてもむけない(真性包茎)」に分かれます。
    仮性包茎は放置で問題ありません。
    真性包茎にたいしては包皮剥離訓練、手術の選択肢がありますが、
    最近は小児の包茎手術に対しては否定的な意見が多いのが現状です。実際に手術数も以前と比べて激減しています。
    放置するか、軟膏を使いながら剥離訓練するかは一長一短がありますのでご相談させていただきます。
    炎症を何度も繰り返したり、癒着が強く改善の見込みがない真性包茎のみ手術をお勧めしています。

  • 包皮炎

    お子さんのおちんちんの先が赤く腫れて痛んだり、膿がでている状態です。
    以前は「痛がるのをおさえつけて、無理矢理、包皮を剥離する」こともありましたが、無理にむいて裂けたところが瘢痕化し、将来、皮がむけない原因になる可能性があり、最近は否定されいます。
    当院では軟膏を処方し、包皮剥離を行うことはありません。
    軟膏を処方して、炎症が落ち着いてから、包皮剥離訓練を行うか、放置するかご相談します。

  • 精巣水瘤(陰のう水腫)

    本来なら途絶する、お腹と陰嚢をつなぐ、腹膜症状突起という管が開いているために陰嚢に、腹水が降りてきてたまる病気です。
    自然に消えることを期待し経過観察しますが、3~4歳を過ぎても水腫が卵くらい大きく、小さくなってくる傾向がない場合には手術をおすすめしています。
    3~4歳を超えても自然治癒することもありますが自然治癒率は低下してきます。
    水ではなく、腸が降りてきてはまりこむと、ヘルニア嵌頓という状態になり、緊急手術が必要になることが稀にあります。
    陰嚢水腫の経過観察中に急激な腹痛を訴えることがあればすぐに受診して下さい。
    (稀なことで、30年間で1例だけ経験しました)

  • 停留精巣

    精巣は胎児期にはお腹の中にあり、それがしだいに陰嚢内へ降りてきます。
    本来、降りてくる精巣が途中で、止まってしまい、陰嚢内にない状態です。
    できるだけ早く、陰嚢内へおろし、固定する手術をする必要があります。

  • 移動性精巣(遊走精巣)

    普段、陰嚢内に精巣がなくてもお風呂に入っている時、リラックスしている時などには精巣が陰嚢内に触れるような状態を移動性精巣といいます。
    手術適応ではありませんが、停留精巣へ移行する場合がまれにありそのような場合は手術が必要です。普段、陰嚢内になく手で降ろしてきても、緊張が強く、ピョンとすぐ戻ってしまうような場合は手術をしたほうがいい場合もあります。

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